ケルヒャーのサイクロンノズルが回転しないと今日の洗車ができない大問題を解決したい

愛車の洗車は手洗い派ですか洗車機派ですか

車が汚れてきたから洗いたいなぁでもわざわざ出かけて行って洗車機に行くのは面倒だななんて時にケルヒャーの高圧洗浄機便利ですよねー。

このケルヒャーがケルヒャーたる特徴的な洗浄ノズルのサイクロンノズルがとても便利。本来高圧にするために吹き出す水は直径で数ミリでこれだと洗浄できる範囲は1cmぐらいの範囲だけです。汚れた所を洗浄すると必ず線状にムラができてしまいます。ところがこのサイクロンノズル先端部分が回転することで5〜10cmぐらいの範囲で強力な洗浄ができます。サイクロンという言葉は大体回転する流体のことを言うみたいですね。

作業効率が全然違うのです。面で洗浄できるので速いし、ムラにもなりにくい!

サイクロンノズルは消耗品扱いですね。数年使うと回転しなくなってしまうのです。すると強力ではありますが、一本の噴き出しだけになって効率の悪い洗浄作業になってしまいます。このサイクロンノズルを買い換えると6000円以上します。ホームセンターなどにはパーツとして置いていないことも多く、取り寄せになって時間もかかる。ネットでも購入できるが、とにかく今日は何もできない!

このサイクロンノズルの不調に困って、自分で修理しようという人が時々、ツイッターなどアップしていることがあります。動きを良くするためにグリスを入れてみる人、削ってみる人などやり方はそれぞれですが、またサイクロンが復活してくれれば、修理費用の節約になるし、仕組みが分かるのも得した気分。

まずは分解して不調の原因を探ってみたいと思います。いや〜、分解って本当に楽しいですねー。

分解しますよ。ランボーの矢じりみたいです。戦車も吹っ飛ばすあの矢じりにそっくり。棒と円錐部分を持って捻れば緩むのですが、キツければプライヤーなどで棒を回せば外せます。

最初にO-リングが出てきます。

次に中の紫色の円盤を取り出します。プライヤーで引っ張れば取れます。よく見ると4つの穴が斜めになってます。回転する水流を作っているのですね。

問題のパーツも出てきました。上の方は羽がついています。4つの穴から斜めに入ってきた水がこの羽に当たること回転します。これが回転しながら上の部分が大きく旋回することで先端の水流の方向がクルクルと回転する仕組みになっています。コマが止まる寸前にはこんな動きをしますね。ここについているO-リングは羽が干渉しないように回転時の動きを助けるためのようです。

 上端部分にステンレスのボールが入っています。このボールが白い本体パーツにめり込んでいます。頭はほぼ出ていません。ボールと本体との隙間から水が入って先端から吹き出すようです。このボールの第一の役目は重りでしょうか。棒の先端に重りがある形状なので常に転んだ状態になります。次に強い水流でへこたれない素材としての金属。水の回り込みを阻害しない形状としての球体。よく考えられていますね。こういうのが楽しいので分解が止められません。(笑)

 さて修理ですが、この白い本体の上端を削ってボールの頭を出すという方法がネットでは紹介されていました。紫のフタのようなパーツにはボールが回転したような痕跡はないし、素材の刻印などがあるので、ボールが接触するような構造にはなっていないようです。ボールの頭が出ているかどうかではない感じです。とすると本質的に回転しない原因はやはりボールと本体との隙間が小さくなってしまって設計上必要な水量が吐出していないためと思われます。ボールを持ち上げて隙間を確保してやればいいのかなと思います。削っての方法で回復したのはボール横の壁が低くなって水が入りやすくなったからでしょうね。

 ボールを外してみます。逆さにして叩いても出てこないので、クリップを伸ばしてボールの横から差し込み取り出しました。中をよく見ると4本の爪でボールを支えているようです。その爪が折れています。高さで1ミリほどでしょうか。その分ボールが沈み込んで、下の十字穴に近くなり過ぎて水量が確保できないのでしょう。この細いプラスティックの爪では長くは持ちませんよね。メーカーも買い替えてもらわないといけないので、、、。
ちょっとピントが難しい、、。

仕組みが分かったところで、具体的には修理はどういう方向で行きますか?

私は本体を削らずにこの爪を再生してみたいと思います。

この白い本体はPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂と表示されています。あまり馴染みのない素材ですが、調べると耐熱性(150℃)があるようなので、熱で再成形するのは無理のようです。なので接着剤を使うことにします。接着にはエポキシ系やシアノアクリレート系の接着剤が適しているようなので、硬さもあって冷蔵庫に一個ぐらい転がっている瞬間接着剤を使うことにしました。やり方は折れた爪のところに瞬間接着剤を盛っただけです!(前振り長かったかな、でも考察が重要だからね)

これで下の十字になったところの穴との隙間が確保できたので回転が復活するはず。結果はまた後日に!

続き

テストをしてみたところ、回転は改善されましたが、長続きしない。最初は具合良くサイクロンで噴射するのですが、長めに使うとやがて回転が止まってしまう。休んでまた回転するけど時間が短くなってついには回転しなくなった。失敗。

再度分解して確認する。瞬間接着剤で補修したところは変わりなくボールも沈み込んでいない。円錐の本体に入れて回してみるとなんとなく動きが渋くぎこちない気もする。この円錐の中で回転する白いパーツは円錐内部の先端部分で高速で回転する。その時の軸受になっている先端部分は樹脂で、そこが削れてしまっているようだ。相手が金属だから樹脂の方がすり減るわけです。これは補修しようがない部分です。まさに消耗部品。

ケルヒャーのサイトを確認すると

サイクロンジェットノズルが回転しない

【原因】ノズルに詰まりがあるか、磨耗している

メンテナンスを依頼するか新しいノズルと交換してください。

とのこと。やはり部品では販売することはないようです。摩耗が原因ですね。

修理ということはできそうもない感じですが、諦めずに少しでも長く使えるように、グリスを入れるのは良い方法と思われるので、これも採用。回転良くするために羽根にも少し加工。

先端のグリスは今回ちょうどいいグリスがなかったのでワセリンです。多分シリコン系の工業用のグリスを使えばもう少し、長持ちするかも。

これが

こうなりました。

一応回転が回復しました。でも頻繁にグリスアップが必要と思われます。

肝腎かなめの部分で樹脂パーツ多用しているので、補修できないこともありますね。あくまで消耗部品。

新品の段階でグリスを入れたりしておけば長持ちさせることは出来るかもしれませんね。

今回のトライはここまで!

kazzt

九州在住 50代子どもおっさん  見た目はおっさんになったけど中身が進化していないことに最近気づく。小説家希望だが感性と語彙力のなさから断念、webライティング主体で頑張る日々。 単車に恋する10代の頃から日本中をツーリングして周る。その際どんな山奥で単車が壊れても必ず自分で修理して家に帰るという熱い信念のもと、独学で修理を覚える。エンジンをバラして元に戻すことも。そんなこんなで早30年が過ぎ、典型的サンデーメカニックは今日もエンジンルームに頭を突っ込むのであります。(歳をとったので単車は禁止となりました)\( ˆoˆ )/

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