バンライフは家に比べれば随分小さな空間なので、危機管理も簡単お手軽に思えます。
ところが一歩間違えば、大惨事になりかねない危険もあるのです。ここはよく心に留めておいていただきたい。
バンライフにおいては自動車の密閉度が高いこと、調理や暖房など燃焼を伴う行為が極めて狭い範囲内で行われるので、死に至る恐ろしい危険が潜んでいます。
室内でガス・液体燃料・炭などを燃焼させるタイプの調理器具、暖房器具を使うときは、換気が必須です。天井にベンチレーター(換気扇)があればこれは確実に作動させる。なければたくさん窓を開けて半開放状態で使用すること。
一酸化炭素は不完全燃焼時に発生するのですが、初期の完全燃焼時から大量の酸素を燃焼のために消費してしまうので、車内の酸素濃度は一気に減少して、酸素欠乏と不完全燃焼による一酸化炭素中毒を同時に引き起こします。症状が出るまでその存在には気付きません。
狭い車内だとものの数分で倒れます。初めは急な頭痛と目がチカチカして異常を感じます。この時点で脱出できないと死にます。脳に酸素が運ばれなくなるので正常な判断と運動能力が失われて自力では外に出られなくなるからです。
なぜ詳しいかと言いますと、経験者だからです。
まだ20歳ぐらいの雨の日の出来事でした。知識も経験もなく行き当たりばったりで旅をしていた時です。雨の日に車内でガソリンのコンパクトストーブを焚いて異常を感じて危機一髪で難を逃れました。ドアのそばにいたのですぐ出られたのですが本当に危ないところでした。
こういった事故は毎年、新聞に載ります。その度にあの時のことを思い出しゾッとします。CD缶などのガスボンベのストーブでも同じ危険があります。ガソリンストーブに比べると手軽でクリーンなイメージですが、同じ燃焼という現象ですからね。車内だけでなくもちろんテント内でも注意が必要です。
<一酸化炭素+酸欠>
バンライフはもちろん車上生活です。車はガソリンで動きます。また料理や暖房器具でもガソリンを使うことも多いはずです。でそのガソリンは実は実はとても恐ろしい物なのです。
ガソリンは危険物です。単に危ない物という意味ではなく、消防法上の取扱いに注意を要する危険物 ”第四類引火性液体の第一石油類” という区分の危険物です。多量に扱うには免許が必要な危険物です。多量と言っても200Lなので、バスタブ一杯にもならない量でも非常に危険という事です。これだけあればとんでも無い大災害になりかねないですが本当はコップ一杯でも恐ろしく危険です。
なぜ詳しいかと言いますと、経験者だからです。(またかよ!!)
キャンプ中に拾ってきた薪が少し湿っていて火力が弱いので、コールマンのコンパクトストーブ用に用意していたホワイトガソリン(通称白ガス)を小さなコップで火に向かってさっとかけました。
次の瞬間、惨事が起きました。
小さなコップ一杯のガソリンは瞬時に両手を広げたぐらいの火の玉になったのです。当然僕もその火の玉の一部に入ってしまいます。この時はその他どこにも引火しなかったのが幸いでした。火傷もせず、あーびっくりした!!とその日は終わったのです。
次の日トイレの鏡を見てわーなんだこれ!!!前髪が焦げてすごく短くなっている上に、眉毛もまつ毛もなくなってしまっていたのです。
ガソリン恐るべし。
この日以来、僕のガソリンの扱いが変わりました。あれから20年、おっさんになってもあの時のことは忘れないですね。車の給油時にエンジンかけたままの兄ちゃんとか、草刈り機の給油時に咥えタバコのじいさんとか見ると前髪燃えちゃえ!といつも思っています。
<ガソリン>
バンライフを安全に生き抜くための最重要の2点を説明しました。
ノマドの守護神ボブ・ウェルズさん(それは誰か?リンク)も指摘しているようにこの2つの危険に対処するために、バンライフを実践する人は一酸化炭素検出器と自動車用消火器(小型のABC消火器でOK)を必ず設置しましょう。アメ車の貨物バンには初めから消火器設置用の開口部が用意されていたりします。
おまけ
昔、オートバイで転倒して滑っていった単車が停車中のスバル箱バン(ガソリンタンクが後ろに見えている)の後ろに勢いよく突っ込こみ、ガソリンタンクを直撃しまして、ガソリンが漏れ、側溝に流れ込みました。この時は大きな消防車が3台もやってきて側溝に大量の水を流し込んで処理していました。あれに火がついたらどこまでも流れていくからだったのですね。どうもすみませんでした。_| ̄|○
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