ガレージでアメ車の修理

愛車の冠水を防ぐ:祈ってもやまない豪雨の前に市販品で準備を整えておこう

ガレージでアメ車の修理

 8月に入ってから雨が降り続いています。九州では記録的な雨の量になりそうです。日田や天ヶ瀬などはまだ去年7月の被害から回復していないのにまた水害です。私は川遊びをするので川の様子が気になってその辺りも様子を見に行ったりするのですが、川の中に重機が入って転がってきた巨大な岩をどけたり浚渫(しゅんせつ)したり護岸工事したりと相当の時間を掛けてここまでやってきているのにまた元に戻ってしまった。治水工事は本当に自然との闘いです。

 さて九州では長崎、佐賀、福岡、大分などで洪水や氾濫で車が多数水没しています。床上浸水などになったら車どころではありませんが、日頃から駐車場の水はけをよく観察しておいて豪雨の時の対応をシュミレーションしておきたいですね。あと20cmいや10cmだけでも車が高い位置にあればダメージが少なかったのに!ということはよくあります。事前に駐車位置を高台に移動できるのが一番いいのですが、みんなが同じことを考えるのでいい場所があるとも限りません。

そこでこの章では、あと20cm程度の車高をかせぐための方法を検討してみます。整備の役立ち道具として市販されているこのアイテムです

カースロープ

 車止めが長くなったような形状でタイヤの下に敷いて車を移動させれば高さを上げることが出来る便利用品です。商品によって高さは色々ありますが、5cmから15cmぐらいまで種類があります。実際に整備の為にこれを使って車の下に潜る時は車が動かないようにしっかりと固定を確認しないと非常に危険ですが、冠水の危険が迫っている時にはこれを4輪とも敷いて車を動かすだけなので早くで便利ですね。

 トルクの小さな車だとこのスロープの傾斜に対してアクセルを踏み込みすぎてしまう事が考えられます。スロープの最後の段差まで乗り越えてしまい、最悪駐車場の壁にぶつかることもあり得ます。人がいれば更に危険な状況です。そんなことも考慮して慎重に設置・移動しましょう。

 この方法は多少、水が溜まり出してからでもまだ出来る方法ですのでそういう意味でも効果的な手段だと思います。

ジャッキアップ+馬

 車を持ち上げるとくればまず思い浮かぶのがジャッキですね。最近の車には装備されていないようですが、パンタグラフ式のジャッキでは時間も力も必要ですので、これは市販の油圧式フロアジャッキ(ガレージジャッキ)の出番です。上げるスピードも力も全く違って楽に出来ます。もちろん女性でも問題なし。
 ただしジャッキアップによる方法は馬が別途必要になります。馬というのは車を持ち上げた位置で安定させるもので、リジッドラックとかジャッキスタンドとも言います。ジャッキで持ち上げたところへ馬を差し込んで少し下げて固定するためのものです。
 整備においてもジャッキアップしたままでの整備は絶対にしてはならないやり方です。車が落ちてきたら死亡事故になりかねない危険があるからです。冠水を避けるためにジャッキアップする場合も少なくとも4個の馬を準備しておく必要があります。ジャッキアップできるポイントは車それぞれですが大概は一輪ずつ持ち上げて馬に乗せる方法になります。ガレージジャッキなら前後2輪ずつ上げることもできますが、ジャッキアップポイントが重要です。一般のガレージジャッキは種類によって1〜3トンの車に対応しているので自分の車に見合ったものを選ぶ必要があります。これは大は小を兼ねるという言葉通り力の強いジャッキの方が何かと便利ですが、値段がかなり高くなるので財布と相談です。

 ジャッキアップは必ず車止めをしながら行うことと傾斜のある駐車場では出来ないと思ってください。傾斜のある駐車場でのジャッキアップは非常に危険です。特にガレージジャッキはその構造からジャッキ自体が移動します。ジャッキが移動できなければ車体を引っ張る力が加わります。これは馬を横倒しにしかねない力の方向になりますので、注意が必要です。路面が土だったり、荒れた舗装の場合は真っ直ぐ上に上がるパンタグラフ式か油圧のシザーズジャッキがベストです。

 馬(ジャッキスタンド)の代わりにコンクリートブロックをタイヤの下に敷くという方法もあります。これはジャッキの上げ幅とブロックの厚みがうまく合えば結構な高さまで上げることが出来ます。一度に高い位置に固定するのではなく2回ぐらいに分けて上げた方が車に掛かる負担が小さく済むのでそのほうがいいと思います。以上のように高い位置で固定できるまでは少し時間と手間が掛かりますが、ジャッキをすでに持っている方なら数百円のブロックがあればいいので安上がりな方法となります。

 ジャッキアップにはパンタグラフジャッキ、油圧ガレージジャッキ、油圧シザーズジャッキなどを紹介しましたが、他にもエアージャッキなんてのもあります排気ガスを利用するもの、電動コンプレッサーのエア圧を使うものなどがありますが、いづれにしても普段からある程度使い込んでいざというときにまごまごせず使いこなせるようにしておきたいです。

総合的に検討すると冠水を避けられるかもしれない用品としてカースロープが最適解かと思います。土砂降りの中で車の移動などもしなければならない状況の中で出来るだけ早く簡単にできる方法だからです。ただし、高さがあるものを4個持っておくというのは結構お金が掛かります。安心と引き換えにお小遣いから出してみますか?それともご家庭の大蔵大臣(もうこの言葉はないですね、財務大臣になるのかな!?)に経費として相談しましょう!