アメリカのバンライフの光と影
昨今のバンライフブームに水を挿したいわけではありません。ただアメリカのバンライフの現実を知っておくということも大事です。アメリカの後ろをずっと歩いている我が国にとって10、20年先の日本の姿がそこにあるのかもしれないと思うのです。
良い給料を貰っていた会社を辞めてバンランフを実践していまーす!なんていう軽いノリのブログやYouTubeも増えてきました。もちろん非難・批判はしませんよ。私ら50歳にもなると現実的な様々な問題に直面します。自分の健康問題、家族の問題、知人の死、老い、年金、収入、仕事、、、。
人生ってのは何かを天秤にかけながら選択し続けること。
だから選択は慎重にしてほしいと思う。
ノマド・・・遊牧民 放浪者 漂流者
バンライフブームのずっと前から、そうもう何十年も前から、この箱バンは一体いつから旅に出ているのだろうと思うような気合の入った車を見かけることがありませんでしたか。
薄汚れた車体、ハッチバックに地方の神社やご当地ステッカーがびっしりと貼られたその車の主と話す機会はありませんでしたが、こんな暮らしも悪くないかもね なんて思ったものです。
私も若い頃はよく一人旅に出ました。自転車や単車だったり、徒歩だったり、外国だったり。短くても1ヶ月、長いと1年ぐらい彷徨っていました。でもやがて帰ってくる。お金がなくなるからです。
バンライフも結局はそこに行き着くだろうと思います。
書籍 ノマド 漂流する高齢労働者たち / ジェシカ・ブルーダー著、 鈴木素子訳
読みました。興味深く面白いノンフィクション作品でした。
望まない現実に直面した人たちが望んで選択した人生。
自由というものを開拓時代から求め続けてきたアメリカ人の国民性も随所に感じられ、日本ではまぁ無いかな、日本の女性はここまではしないなぁとか、DIY精神恐るべしとか色々考えさせられることが多くサブカルチャー”バンライフ”の日の当たらない一面を知ることができます。
そして10年先には他人事ではないかもしれないという現実感もあります。
そしてそして、重要なことですが、”ノマド”たちには自分で自分の生き方を選択したという誇りのようなものがあるということです。なので”ホームレスではない、ハウスレスなのよ”という言葉が出てくるのですね〜。
映画 ノマドランド
映画”ノマドランド”はこの本を映画化したドキュメンタリー調作品です。
近くで公開していないので、観ることができていないですが話題になったのでネット配信かDVD販売があるでしょう。アカデミー賞候補になっているぐらいなので期待できますね。じっくり待つとします。