ダッジの古いバン

緊急避難場所のひとつとして貨物バンを選択肢に入れる:雨・風・暑さ・寒さを乗り越え、買い物にも行ける!

ダッジの古いバン

災害


 私事ですが、私は仕事で関西に住んでいた当時’95年の阪神淡路大震災で被災しました。夜明けに舞う雪に混じって灰が降ってくる光景は今でも心に焼き付いています。あの時、心強かったのが小さいながらも逃げ込んだ自家用車。ヒーターの暖かさが動転する心を落ち着かせてくれたのでした。電気ガス水道なしの生活をその後も”車”が支えてくれました。

増え続ける自然災害

 地震、豪雨、豪雪、竜巻、噴火。地球温暖化のせいなのか、地軸のズレなのか、太陽の黒点の増減なのかムーの呪いかなんだか分からないけど、とにかく自然災害が異様に多いですよね。しかも、規模が大きくなっている。
 九州でも近年、豪雨による水害が甚大で復旧には数年を要している。そして、ようやくという頃に再び災害が襲ってくる。

大きいガソリン車

 災害時の緊急避難場所のひとつとして、熊本大地震以降、自家用自動車が”車中避難”として公的に認識され始めました。もちろん災害直後に車で他所へ避難しようとすると大渋滞が起こるので、ここではあくまで避難場所としての自動車使用を想定しています。

 電気自動車は緊急避難の時に役立つと盛んに言われますが、どうなんでしょう。大きなアンペアの電気を直接車から取り出せるのは確かに大きなメリットです。しかし、災害時充電する場所がないことがパニックを起こす原因になるのではないでしょうか。ガソリン車ならばタンクに入れて持ってくればいいので、再スタートが容易です。そんなことを考えると一家の一台きりが電気自動車だった場合は困ったことになりそうな気がしますね。

 日本ではミニバンというのが大流行しました。(今はSUV一辺倒!)小さくもないのにミニバン!?って思いますが、確かにアメ車のフルサイズバンに比べれば、すごく小さいですけど、ミニというほど小さくもないですよね。災害時にバンは非常に有効な避難場所になり得ます。

 キャンピングカーは生活の場としては最高の場所になりますね。ただその大きさが様々な場面でデメリットになる可能性はあります。通勤用・買い物用の車として兼用するには不都合が多いでしょう。立体駐車場には入れないですし、頻繁にアウトドアレジャーに出かける人でないと、費用対効果が小さいかなと思われます。その点、市販車サイズのバンならば、日常使いができるので、活躍してくれますね。

車中避難

避難時に少しでも心地よく

 車中避難としては1番に大事なのは平に寝ることができるかということです。フルフラットのシート仕様であってもやはり凸凹しています。元が座るための椅子なので当然です。実際横になって見て、安眠熟睡できそうなのか確認しておく必要があります。コンパネを使って自作できますし、キャンプ用品やエアを入れる車内用エアマットというのもあるので、検討してみる価値はあります。避難時に持ち込めばいいのですから、車に常備する必要はありません。収納時にコンパクトになる必要はそれほどないです。

暑い寒い

 次に重要なのが暑さ寒さ対策です。
 自動車は近年、随分豪華な内装になってきましたが、内張を剥がしてみると、見えるのはただの鉄板です!!ボディは1mmにもならない薄いけど引っ張りに強い鋼板です。そのボディの薄い鉄板の内側はもう内装プラスティックカバーだけということです。これだと外気温度の変化が直接内部に伝わってきます。だから昼は暑くて夜寒いのが普通の車です。

自分でも出来る改良

 暖房や冷房の効率を上げるために、工夫をしておくと、エネルギーの節約ができて日常使いでも快適でメリットが大きくなります。その方法は内張とボディ鉄板の間を断熱材で満たすということです。

 これをするには内装材を全て外さなければなりません。なので、豪華な乗用車タイプのミニバンだと内装を外すのがすごく大変です!もちろん業者に依頼するという手段がありますが、ディーラーや普通の修理工場はやらないでしょう。ノウハウがあるのはキャンピングカーなどを特装している業者ですが、本当に数が少ないので近くで見つけるのは困難かもしれません。
 ここに敢えて私が貨物バンを推す理由があります。貨物バンなら作業は非常に簡単です。自分でやれば驚くほど安価に仕上がります。

 床断熱改造は記事にしているので参考にしてください。サイドや天井も記事を用意できたらアップします。

健康でいる為に

 さて、車中避難の話に戻りましょう。

 狭い車内での避難生活が続くとエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)の恐れがあります。運転席で長時間過ごすなどの姿勢が良くありません。動かさない下肢の静脈に血栓が生じ、これが肺の細胞に到達して重篤な症状を引き起こすのです。フルフラット改良した後席で横になって足を伸ばしましょう。
 トイレが面倒になるので、水分を控えがちになりますが、これも血栓の原因になります。意識的に水分を摂取する必要があります。

 その他にも車中避難には必要なモノが色々あるかと思います。人それぞれですので、”避難訓練”と称して車中泊ドライブをしてみるのがいいですね。必要なものが分かってきます。やはりキャンプ用品は使えるのものが多いので要チェックですよ。