車のことは全て行きつけショップにお任せしてます!という方はそれはそれでいいと思います。世の中にお金が回るのは重要なことですし、機械は全くチンプンカンプンという人もいますから。それでも、出勤前にエンジンが掛からなくて焦ったとか、遊びに出掛けた先で急に車の不調に見舞われた!なんてこともよくあること。ひょっとしたらちょっと知っておくだけでなんとか家まで帰れる状態になるかもしれません。応急の対処方法を知っておくと役に立ちます。ただし、なんらかのトラブルを抱えている可能性がありますので、そのあとはプロに任せるなりしたほうがいいでしょう。
エンジンが掛からない!イグニションを回しても、カクカク音がすれどエンジンが掛からない
バッテリーが完全にあがっていれば、スターターも回らないですね。またはバッテリーが死にかけている時はイグニションを回すたびにバッテリが弱っていくのが分かる。急速充電器で応急処置として回復できるかも。今の充電器は小型モバイルバッテリー式になっているので車に置いていても邪魔にならないので、用意しておきたいアイテムですが、夏季の高温車内に放置しておくのはあまりにも危険なので、運用に気をつけたいところです。
昔は通りすがりの車にブースターケーブルで電気を分けてもらったりしてました。今の世の中はそんな雰囲気でもないですし、HVやEVの時代、相手の車を壊してしまうかもしれないので、自前の急速充電器を用意しておきたいですね。
スターター
さて、バッテリーは正常なのに、スターターが回らないことがあったりします。カッチと音はすれど全く動かないなどです。(何度も何度もやると本当にバッテリーまで放電してしまい二重のトラブルになりますから気をつけて!)
スターターはギアの噛み合いでクランクシャフトを回転させますね。エンジンをかけるときにギア同士が噛み合ってしまったり、内部のクラッチが上手く作動していないなどが原因でスターターが回らないことがあります。この時はガツンとスターターを小突いてやると動くことがあります。プロがよくやる方法です。鉄の棒がいいですね。あまり強く叩かないで、程よくやる必要があります。傷がつくほど叩くのはダメです。壊せば更に出費が、、、。
またこの周辺にはファンやベルト類など回転モノが数多くあります。この長い棒や軍手、服の袖などが巻き込まれる危険が非常に高い部分ですので、細心の注意が必要です。これで回復してもまた再発するようならスターターの分解修理が必要です。ショップへGO!
燃料ポンプ
スターターは元気よく回る。よってバッテリーも問題ない。でもエンジンが掛からない。ならばまず、排気管の匂いをクンクン嗅ぎます。ガソリンの匂いはするでしょうか。しなければ燃料がエンジンに送られていない可能性があります。まずは燃料タンクを見つけてください。その上部にある燃料ポンプが不調なのかもしれません。よってまた叩きます。コネクター部分などは避けてください。燃料ポンプ本体に少し振動が伝わってモーターの回転のキッカケになればいいのです。
今度は金属棒は具合が悪いです。火花でガソリン発火・爆発する可能性があるので、木の棒などがベストです。2人いればキーを回した時に燃料ポンプが作動しているか確認することができますが、1人の場合は行ったり来たりしながら対処します。
燃料ポンプの故障は大概の場合、前兆があったりします。走行中にアクセルを踏み込むとガス欠のような症状を起こしたり、坂道が上がらないなどの症状が出ていたりします。叩いて回復したら何処にも寄らずさっさと家に帰ったがいいですね。ポンプが完全に死んだらお手上げです。積載車のお世話になることになります。燃料ポンプの交換は危険な上に難易度高めなのでショップへお任せで。
エアコン
暑い夏の最中、なんだかエアコンの効きが悪いなー、んー!?いやいや完全に送風だこれは!ということもあるあるです。さっきまでは確かにエアコンは効いていたはずだ。こんな時は何処かに駐車してエンジンを止め、用事から戻ってきたらエアコンが、、、なんて場合に多いです。
エアコントラブル定番といえばガス抜けですが、さっきまで正常に作動していたなら、エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチが上手く作動していないことがあります。フードを開けて、エンジンを掛けて観察します。ベルトが回っている何処かの位置にコンプレッサーが設置されています。よく観察するとカチカチ音を出しながら、隙間(紙一枚程度の隙間です)が開いたり閉じたりするプーリーがあるはずです。隙間が空いていればコンプレッサーが回らないので、エアコンは冷えません。これは冷媒ガスが少しずつ減って限界ギリギリになっている時に生じることがあります。また、アイドリングが不調な時も回転数を維持するために、エアコンスイッチが自動で切れるようにもなっています。エアコン不調には原因が色々考えられるのですが、さっきまで普通に動いていたなら、マグネットクラッチの動きがただ悪いというのは多いのです。(シーズン初めなど実体験)この時はエアコンスイッチのオンオフを繰り返すだけでスムーズに作動するようになることがあります。
エアコン関係は修理費が大きくなりがちなのでまずは簡単なトライをしてみてはどうでしょう。エアコン関係は自分で修理できれば相当の節約ができます。もちろん特殊な工具など必要ですが、まずはガス圧を測るゲージはあってもいい工具だと思います。これがあれば冷媒不足の時の補充ができます。実は冷媒ガスは1本500円ほどなのです。ガススタだと2000円ぐらい盛られます。多めに入れておこう!というのはゼッタイダメです。入れすぎた場合は規定値までガスを抜きます。
アクセル踏んでも走らない、力がない、加速しない
エアクリーナーのフィルターが目詰まりしている可能性があります。業者に依頼して車検を何度も通している車は気にしなくてもいいでしょう。確認と作業が簡単な上、料金が上乗せできるエアフィルターは過剰に交換される割合が高いので、綺麗な状態のものが多いです。問題はむしろ中古車屋で購入したばかりの車です。この場合は少しでも手間と交換部品を減らしたいと考える業者は汚くて目詰まりしているようなフィルターでもそのままであることが多いです。また250cc以下の車検のないオートバイなども見落としがちです。要はエンジンに新鮮な空気が必要分送られていない酸欠状態になっています。アクセルを踏み込んでも反応が悪い、雨の日は特に調子が悪いなどの症状が起こりやすいですね。確認も交換も簡単なので自分でできる整備項目に入れておくといいです。
燃料ポンプは作動しているしエアクリーナーも綺麗だ。でも力がない
点火系なら火花が出ていないのかもしれない。でも1気筒の不調ぐらいなら走って帰れるでしょう。この場合は排気ガスが臭いですね。燃やされない生ガスが排出されているのです。触媒などに悪影響ですので、早急に対処する必要があります。
プラグやハイテンションコード、イグニションコイルの不具合なら自分で交換もできます。旧車乗りなら出先でも対応できるように車に消耗部品を常備している人もいますね。圧縮足りないなんて場合もありますが、診断も専門的です。他の重要なトラブルも抱えているはずですからまずショップで相談するのが大事ですね。
必要な量の燃料がエンジンまで送られていないこともあります。燃料ポンプの作動が確認できるなら、燃料噴射装置(フューエルインジェクション)が疑わしいです。水を出したホースの先を指で押さえたように燃料がエンジン内に向けて噴霧されているはずなのですが、小さなゴミが詰まって燃料が出ないことがあります。工具があればインジェクションを外して、エンジンを回してみると吹き出す燃料を確認できるのですが、出先ならやはりあれです!コンコン叩いてみる!です。このフューエルインジェクションは樹脂の部品であることが多いので、ガツンとやると致命傷を負わせることになります。あくまで小さなゴミがあるなら出ていってよ〜ぐらいのゆるい気持ちでコンコンしましょう。運が良ければ詰まりが解消されて復調するかもしれません。
今まで普通に走っていたのに、急に調子が悪くなった!ドライブに出掛けた先でトラブルに見舞われることもありますね。この記事ではそんな時の対処についてまとめてみました。
こういった不調はある時に急に起こるものです。実際には症状が密かに進んでいたことに急に気が付いたということもあります。例えば、エアクリーナーの詰まりは少しづつ進行してるのに不調として感じられるのはある瞬間、突然生じたと思うものです。ですので重大な故障が急に起こったように感じて他の箇所を探していたりすることも多いのです。
日頃から自分の愛車の状態を五感全て感じながら走っておく必要があります。古い車やオートバイなどは気温や高度などにも敏感です。今日はなんだかエンジンの回転がザラついているなー猛暑だからかな、なんて自分なりの感覚が研がれていくと愛着もひとしおです。プロの手を借りながら、頑張って愛車を維持しましょう!