50年代のアメリカ車

輸入車の改善、改造、改良:国によって法律が違うが基本的なことは各国共通にしておけば良かったのにね!

50年代のアメリカ車

アメ車のディーラー車・並行輸入車

 アメ車を探すにあたって、中古車販売店やネット情報、雑誌など方法は色々あります。この時、よく併記されているのが”これは新並・ワンオーナー”だから安心!!という言葉。これって一体なんなのでしょうか。新並はよくて、中並はダメでしょうか?

 正規ディーラーが元々少なかったことに加え、現在ではほとんどが日本を撤退してしまったので、日本で走っているアメ車は並行輸入車がとても多いです。アメ車などの輸入車は輸入ルートによって3種類に分類されます。

正規輸入(ディーラー車) 現地の自動車メーカーから日本の正規ディーラーへ直接輸入された新車
             型式認定されている。
新車並行輸入(新並) 現地の正規ディーラーから日本の業者へ輸入された新車 型式不明
中古並行輸入(中並) 現地の車販売店などから日本の業者へ輸入された中古車 型式不明

型式

 ここで型式という言葉が出てきました。実は国の制度の中でよく使われる用語です。例えば建築業界では大手ハウスメーカーのある商品名を持ったシリーズモノの住宅やアパートは関係省庁の型式認定というのを取得しています。基準に従って製造、組み立てがされることを約束したということです。これによって同じ検査を何度もしなくてよくなるということなのです。


 輸入車の場合、国土交通省の管理になります。アメ車にすでに乗っている方は気付いていると思いますが、車検証に型式不明とあるものが多いです。

 型式不明と車検証に記載されているとそれだけで怪しさ満点ですが、ディーラーの新車でも型式不明はあるようです。要は国土交通省の型式認定を得ることでその後、相当数輸入される同型車の排ガス検査、衝突検査、ブレーキ検査など手続きが省略できるというメリットの為なのですね。

 なので元々輸入される台数が少ないと分かっているマッスルカーなどは型式認定を取らず、ディーラーでも通常の新規登録の手続きにしてしまうからなのです。(フォード撤退の頃など)もちろん個々の並行輸入業者が輸入する場合は多額の費用を掛けて認定を取ることはできないので、型式不明となる予備検査を受けての通常の新規登録手続きをするわけです。

というわけで型式不明は輸入車においては怪しいことでないのでご安心を。

型式不明ちょっと不利なところ

 ただし、型式不明だとネット契約する格安の自動車保険(任意保険)はほとんど契約できないと思った方がいいでしょう。
私の車も型式不明ですので、家族車でも契約している東京海上日動火災保険の代理店で直接契約しました。少なくともここでは全く問題になることはありませんでした。

新並中並

”これは新並・ワンオーナー”だから安心!!という言葉はどうでしょうか。中古車両の品質を担保するという意味では相当に魅力的な言葉ではあります。探しているアメ車でこの文言がついている車両があったら即買いかもしれません。しかし、現実的には希望する車種で新並・ワンオーナーものを待つと何年待つことになるか分かりません。ましてディーラー車でとなると販売された車種が限定されているので絶望的に高いハードルになってしまいます。

 ということで現実的には中古並行車・複数オーナーものになってしまいますね。では中並はダメでしょうか!?そんなことはありません。ショップ選びが大事になってきます。ちゃんとした店を選べば楽しいアメ車ライフが送れることは間違いありません。
 僕はそこそこ修理に自信があったので、自分でやれるだろうと鷹を括ってちょっと怪しい店で買って失敗したこともあります。\( ˆoˆ )/

国内改善

 さて日本に輸入されてきた車がしなければならないのは、国内を走行するために道路運送車両法に適合させることです。(保安基準に適合させる。国内改善などと言われる。)この規制は年々厳しくなっています。こういった規制は車が製造された年式によって除外されたりするのでVINコードで正確な年式を認識しておく必要があります。
 
 古い車両は規制から外れるので車検時に楽になるのですが、安全のためにはできるだけ現代に合わせた方がいいに決まってます。昔に比べて、交通全体の速度が上がり、台数も増え、車格が大型化しています。事故に巻き込まれた時に潰れて痛い思いをするのは古い型の車両ですから。

国内改善が必要な主なものとして

灯火類(ヘッドライト、ウィンカー、サイドマーカー、テールライト、 バックランプ、フォグランプなど)
外部突起規制(外凸規制)
前方視界確保
車内安全装置(シートベルト内装など)
貨物構造変更

 こういった改善は国内販売店で販売される時点で完了しているはずですが、いざ自分でユーザー車検を行おうとしたら色々指摘されて頭を抱えて帰ってきたなんてこともあります。

 それは、よく問題になるのですが各自治体の陸運局によってあるいは検査員によって基準が曖昧でこっちでOK、あっちでNGということがよくあるからなのです。なので内容を理解しておいてその事態に対応できるように心構えは持っておきましょう。自分でうまくいかない時はプロに頼めばいいのです。必ず頼れるショップはあるものですから。

改造・改良・カスタム

 ホイールやタイヤのサイズ、車高を変更したり、オーバーフェンダーを付けたりの改造は場合によっては構造変更の手続きが必要になります。カタログやネットの情報からノーマルの状態は把握しておきたいところです。

またより自分にとって乗りやすく、扱いやすくする為の改良・カスタムも楽しみのひとつですね。

個々の内容が細くなってしまうので、国内改善・改造・改良については別記事でもう少し踏み込んでいきたいと思います。
愛車を自分で手入れして、ユーザー車検で通したいと思う方には必要な情報となります。

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