アメ車貨物バン改造/床
サブカルチャー ”バンライフ” ムーブメントを知らなかった時に始めていた床改造。
アメ車貨物バンは仕事の道具もいくらでも積めるし、材木を買ってもホームセンターの軽トラを借りる必要もない。引越しの時も大いに助かる。キャンプやその他諸々の遊び(これが多い!)に大活躍。
フルフラットのアメ車貨物バンの床は改造がやり易いです。この後、棚を作ったり、間仕切りを作ったり考えているなら床だけはしっかり考えて納得できる作りにしたほうがいいです。後からは困難です。床の改良・改造・カスタムは建物の基礎と同じです。
車は寒い・暑い
冬に車で寝たことがある人は分かると思いますが、車はとにかく寒い。何も対策していなければ、夜にはほぼ外の気温と同じになります。テントで寝るような装備でないとぐっすり眠れません。
しかも朝には窓ガラスは吐息の水分でびっしょりです。人間は1日に2〜3リットルの水分を排出しているそうです。尿なども含めた数字なので呼吸や汗由来の水分はそれよりも少ないとはいえ、相当の量の水分を体から出していのですね。
こういったことも考慮して、車中泊仕様の車両はまずこの断熱と湿気対策から考えるのがいいと思います。
ラムバン 床断熱の作業
僕はフルフラットの床のまま使いたかったので、根太間の断熱材に重点を置いています。仕上材は木のフローリングとCF(クッションフロア)のどちらかを決めないまま作業を開始しました。
車検証上では多人数が乗れる仕様なので、取り外してはいてもシートは元に戻せるようにしなければなりません。この点は注意が必要です。構造変更してしまうことも有効な手段ですが、この先、どの程度他人を乗せるか見極めがつくまでは現状維持でいこうと思います。
汚いカーペットを剥がします。ボンドや両面テープで頑丈に接着されている所もあります。逆光の中、古いカーペットからの細かい繊維が空中に舞うのが見えます。犬の毛布のような鼻が痒くなるような古いカーペットはさっさと取り除いて気持ちの良い空間にしたいです。
ボンドはかなり強力についています。スクレーパーで丁寧にこすり落とします。サビなども出てきたら、擦り落とします。配線も出てくるでしょう。取り敢えず、上の方に揚げておけばいいでしょう。僕はスピーカーの線は要らないなとチョキチョキ切ってしまってから、集中ロックの線であることに気付きました!ご注意を。
一旦掃除をしてから、ペンキを塗っておきました。これは部分的に錆があったので、錆止めの為です。余っていたシャーシーブラック塗りました。
車内装と規則
車両運送法上は床を固定してはいけないので、根太+断熱材の床基礎は車体床面に乗っかっているだけの状態にします。ボルトなどの固定はOKという話も聞きますが、これは時々で判断が別れるところなので、難しいです。運輸局のある自治体で異なることもあるので、心配なら地元の車屋さんに相談しておいたほうがいいでしょう。
要は荷室にあるものがすぐに移動できる”荷物”なのかそれとも固定された”車体の一部”なのかということです。そして重量増の問題もあります。50k(または100kg)などの線引きで荷物ではなく、構造物とされてしまうので、構造変更届が必要になることもあります。アメリカのバンライフDIY動画のように気楽に車を改造しすぎると、日本では車検時に問題となるので、少し慎重にやったほうがいいです。元々は違法トラック対象ですが、近年、過積載は取り締まりを強化しているので注意しておきましょう。
錆止めのペンキの後に遮音シートを敷き込んでから根太を乗せていきます。根太の間隔は次に貼るコンパネのサイズに合わせるので正解は特にありません。建築なら尺五寸と三尺が基本ですが、今回は細かすぎず、飛ばし過ぎず、ほどほどでいきます。適当でいいっすよ!
正解なんてない。好きなようにやればいいのだよ
こういう作業では大概、一家言ある人が登場してきます!これはこの材料でなければダメだ!ここはこういう順番だ!!困ったものです。好きなようにやりましょう。予算や時間もありますしね。
私の方法では、車体下からくる振動や音を遮音シートでまず遮る。次の断熱材で熱の出入りを減らす。コンパネで遮音、保温を助ける。最後は仕上材となります。サイドや天井は仕上材として木やコルクなど吸湿放湿する材料を多く使うことで先程の呼気の水分に対処できることを狙います。
シートが再取り付けできるように金具のところは蓋を被せるようにしています。
いくらこだわっても車は所詮は騒音の塊です。遮音効果は人それぞれと思います。よく出来た!と思えば効果があった気がするし、その逆もあります。ただ断熱材の効果は明らかに違うのでそこは期待していいと思います。
後編に続く