ダッジの古いバン

隠れ愛車はファーストカー・セカンドカー?:毎日通勤に使うも楽し、週末ごとに新鮮な楽しさを味わうのもこれまた良し

ダッジの古いバン

週末のアメ車、平日の国産コンパクトカー

 僕の場合、10年落ちトヨタのコンパクトカーが日常の足です。仕事にもこれで出かけます。仕事仲間も親戚ですら僕の車はこのコンパクトカーということになっています。今ではおばさんが乗っているような車なので、軽んじられ、舐められます。煽り・接近・威嚇されます。公道というところは暗黙のヒエラルキーが存在しています。高級車、新型車、大きい車、速い車はピラミッドのトップに行けます。僕の車は底辺です。( ̄▽ ̄)
 しかしながらこの昨今の煽り運転事件の影響で気分を害されるような輩運転がかなり減って気分を害されることも随分減りました。

 僕の1号車はさすがの国産トヨタ車だけあって全く故障する気配がない。このままずっと行くのかな。買い直すと安い車を見つけてきても、費用も時間も要するのでできればこのまま乗っていたい。とても乗り易いというメリット以外ないのだけどね。

 新型の車はどうなの?って言われてもどれも同じに見えてしまうフォルムがいまいち。前方を走る車を見ていても全く区別がつかない。SUVばかりでつまらない。たまにこれいいなと思って調べるとすごく高いよ!遊びは他にもあるから車だけにお金は使えないし。だったら古いけど安心して乗っていられるこの国産コンパクトカーでいいかってなってしまいます。

Dodge Ram Van

 そんな僕が週末に乗って出かけるのは2000年型のDodge RAM VAN mideum サイズ
全長5.3m、全幅2.0m、全高2.0mのフルサイズ商用バン。V8 5.2Lマグナムエンジン。買って倉庫に入れた時あまりの大きさにとんでもないものを買ってしまったかなと少々後悔するほどの大きさ。軽自動車が中に入りそう。広場で見たらそれほどでもないと思えるけど、建物内だととにかくデカイ。クマか、いやクジラだな。

 最小回転半径が7m超のせいで頭から駐車場に入れようとすると全く入らないので必ず切り返しが必要になります。バックならかなりやり易い。そういう視点で50、60年代のアメリカンマッスルカーの動画を見てみるとあれが精一杯の転回なのだなと分かります。まぁアメリカの広大な大地を真っ直ぐ走るための車なのだからこんなものです。
 難点はその小回りが利かないというぐらいであとは特にないです!燃費はリッター5−8km程度でしょう。エンジンのアルファードぐらいですか。気にしちゃいけません。その程度のことです。ちなみに日本のパーキングでも収まります。若干お隣に邪魔かなというぐらいです。なので空いている離れたところに置けば問題ありません。

至福の瞬間

 日曜日の朝、エンジンキーを回すのは特別な儀式です。V8エンジンに火が入ったその瞬間、何もかも忘れてしまう。昨日若造に失礼な物言いをされたこと、妻に怒られたこと、支払いや年金の心配、弱々しくなった髪と気掛かりなコレステロール値のことなどみんな消えてしまう。大排気量V8の排気音が実に心地よい。官能的とすら表現されるフェラーリやアルファロメオとは全く違う大らかなアメリカの音です。アメリカ映画・ドラマでお馴染みのあの音です。誇張ではなくあのドロドロした音がノーマルのマフラーでも充分楽しめます。

全てを見せる必要はない秘密を持て

 実の所、この巨大なラムバンのことは誰にも話していません。知っているのは妻だけです。そしてまだ知人にも見つかっていません!この秘密感がたまらない。大概サングラスにキャップを被っているので、知り合いが近くにいても分からないでしょう。若い人ならちょっと自慢げに友人に見せて回るでしょうが、おっさんになるとそういう見栄も無くなりますね。(そうでもないか、おっさん欧州車は見栄っ張り多いな。)都会なら知り合いに偶然出会う確率はとても低いですが、ここ地方都市では目立つ車はすぐに見つかってしまいます。特に仕事関係者には休日の事まで察知されたくないのです。なのでこの異邦人のような状態が特別な高揚感を生み出します。絶対に見つからないぞと意気込んでいるわけでもないので、出会ってしまったら仕方ないですけど。

出版社/文友舎、発行間隔/月刊、発売日/毎月16日 価格:880円